私は大学時代、ボランティアガイドの部活に所属していました。京都の一部の寺社で海外から来た方々を英語で社寺を案内するというもので、自分からツーリストの方に声をかけ、活動内容を簡単に説明し、了承を貰えて初めて成り立つものです この部活では基本的に最大4人までのツーリストの方に声をかけガイドしていました。その日私が声をかけたのも、恐らく1人で来られているであろう方でした。いつものように自分たちの活動内容を説明し、よろしければ案内させて貰えませんか？と伝えると、その方は、「もちろん！でもまだ後ろに人がいるけどいい？」とおっしゃりました。私は特に深く考えず大丈夫ですと答えましたが、後ろを見るとなんと6人もの方がいらっしゃいました。今まで7人組をガイドした方の前例も無く、かなり怯みました しかし、これは滅多にないチャンスだとも思えました。いつも通り、でも、いつもより聞き取りやすく、興味を持ってもらえるように。その時のことはほとんど覚えていませんが、とにかく全員についてきて貰うことに必死だったと思います なんとかお寺を回り終えることができましたが、残念ながらその時には7人全員は揃っていませんでした。私の説明にわかりにくいところがあったんだろうとか、興味が持てなかったんだろうとか、理由はいろいろ考えられましたが悔しい思いでした。また、せっかく興味を持ってこのお寺に来たんだろうに、自分本位な案内になってしまったのではと申し訳ない気持ちもありました 別れ際に「今日はついてきてくれてありがとう！つたない英語でごめんなさい。」と伝えました。すると「こちらこそありがとう！説明もわかりやすかったよ。特に庭の石の話や襖絵の話、面白かった！バラバラになっちゃってごめんね。これからも自信を持って続けてね！」と言って下さりました。この時ほど、もっと頑張ろうと思えたことはありません 今はもうこの方とは連絡はとっていません。でも、お庭が綺麗なそのお寺の名前を聞くと、いつもこの日のことを思い出します

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