戦後復興期、当時の車両不足を背景にけん引型のバスが数を増やした。 トレーラーバスと言われ、当初は進駐軍の軍用トレーラーを改造して製造され、その後日野自動車により量産車が製造された。 しかし、昭和25年4月14日に横須賀市で京浜急行のバス車内で焼身自殺した人の火が車内に燃え移って客車が全焼し50名近い死傷者を出すという大惨事が起きた。 運転席と客車が分離されているため乗務員が火災に気づくのが遅れたことも大きな原因であった。 この事故を機に急速に数を減らし、昭和35年頃には新規納車はなくり、トレーラバスのほとんどはその姿を消すこととなった。

最近、運転士不足と混雑緩和を背景に導入が進められているのは連節バス。 車両構造上、相当分解しないと切り離せないという理由から、牽引車ではないとされ、特例的に大型二種免許で運転が可能。 つくば万博の際。この型のバスを導入したが、実は運転できる免許を持つ人がいなかったため、苦肉の策で出した通達によるものだった。

車体長は19メートルで、普通の大型トラックよりも長いが、第五軸（トレーラーとトラクターをつなげるところ）が折れ曲がることから、実は回転半径は通常の大型トラック並か、それよりも小さい。 けん引免許はけん引される車（トレーラーでいうなら荷台部分）に対しての免許のため、運転するには別のトラクター（運転士の乗る部分）の免許が必要。 つるつる温泉のバスを例に取るなら、大型免許＋けん引二種免許が必要となる。つまり、大型二種でけん引バスを運転できないように、けん引二種しか持っていない人は営業バスを運転できない。

【受験資格】 ・21歳以上 ・次のいずれかを満たす 　1. 大型第一種免許、中型第一種免許、普通第一種免許、大型特殊第一種免許のうちいずれかを通算して3年以上（免許停止期間を除く）（例外規定にあたる者は2年以上[4]）現に受け、さらにけん引第一種免許を現に受けていること 　2. 他の第二種免許（大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許、大型特殊第二種免許）を現に受けていること 【データ】 平成27年 　受験者数　1,949人 　合格者　　　430人 　合格率　　　22.1％ 　平均受験回数　4.5回

【試験】 自動車教習所での教習や技能検定は行われておらず、運転免許試験場での技能試験で合格しなければならない。 実は牽引二種の試験は牽引一種の試験と同等の内容で、合格点が10点高い(一種は70点、二種は80点)だけ。 牽引一種を飛び込みで受ける人がついでに選択して合格しちゃうこともあるらしい。ちなみに、大型一種と二種は乗り心地や扉に合わせた停止など二種独特の試験項目が多数あり。 試験内容は牽引一種と一緒で、場内の走行、方向変換、S字通過、指定速度走行(50km)、踏切通過。 採点基準も全て一緒で違うのは合格点のみ。 牽引は大体70%が方向変換で落ちる。20%がS字で落ちて、残りは合格点を割り込んで終了と言われる。 方向変換さえなんとかなれば受かるなんて言われるが、方向変換失敗は最低でも20点減点だからそれだけでほぼ絶望的。