平成２６年１月１７日 重要有形民俗文化財等の指定等について ●北木島石工用具 （１）所有者 笠岡市（笠岡市立北木中学校北木石記念室保管） （２）所有者の住所 岡山県笠岡市 （３）員数 １９９点 （４）文化財の概要 ①文化財の特色 本件は、瀬戸内海の島々の中でも最大級の石材産地として知られる北木島で、 花崗岩 かこうがん の採石や加工などに使われた用具の収集であり、採石法が機械化する以前 の人力による伝統的な石工の用具が充実している。 花崗岩のなかでも良質の石材 として知られ、日本各地の建造物に重用された「北木石」の生産に関する用具で あり、我が国の石工技術や採石業の変遷を考えるうえで注目すべき資料群である。 ②文化財の説明 本件は、岡山県笠岡市の北木島で産出される花崗岩の採石や加工などに使用 された用具の収集である。北木島の花崗岩は、良質で硬度と色合いに優れた石材 として「北木石」の名称で知られ、大坂城の石垣をはじめ、日本銀行本店、靖国 神社の大鳥居、五条大橋など著名な建造物に使用されてきた。 丁場（採石場）での採石に使われた各種のヤやノミ、ゲンノウ、石の運搬に使 われたマタグルマ、石の成形に用いられたハツリノミなど、島の石工たちが使用 した用具が工程ごとに揃 そろ っている。 また、丁場に附属した鍛冶場で、道具の修繕に用いられた鍛冶用具も併せて収 集されており、そのほかに、窄孔機 さっこうき や削岩機 さくがんき など近代に導入された採石用具も一 部含まれていて、石工用具の変遷がわかる構成になっている。