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「論理国語」と「やさしい日本語」が格差社会へ
「論理国語」は日本論理的・実用的な文章を扱い、「やさしい日本語」は外国人を対象に難しい漢字や言葉を使わず、単純な文のみを使ってコミュニケーションをはかることを目指している。しかし、このような2つの反対の動きは、日本の子供たちの将来が分断されていく危険性をはらむ。
Updated Date : 2019-05-09 20:19:48
Author ✎ Teddy
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2022年度から適用される新学習指導要綱によると、思考力・判断力・表現力の育成が狙いとされ、特に論理的に書いたり批判的に読んだりする力の育成が重視される。すなわち、エリート校では英米語・科学的論理に対応しやすい「論理国語」が重点的に教えられる可能性が高い。 一方で外国人に「やさしい日本語」を教えようという動きも盛んである。「やさしい日本語」は日常的にやさしい日本語でコミュニケーションをはかることを目的としている。 しかし、エリートは「論理国語」、非エリートは「やさしい日本語」と、日本人が分断されていく恐れがある。
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2022年度から適用される新学習指導要綱によると、国語の必修科目は「現代の国語」と「言語文化」の2つになる。思考力・判断力・表現力を高めるため「現代の国語」では文学を扱わず、論理的・実用的な文章を扱う。「言語文化」では古典から近現代までの小説、詩歌を扱う。大学入試を目指す進学校では選択科目として「論理国語」と「古典探求」が中心となり、文学にふれる時間が少なくなると懸念されている。
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「やさしい日本語」は基本的に難しい漢字やカタカナ言葉・専門用語を使わず、単純な文のみを使ってコミュニケーションをはかることを目指している。これは「外国人向け」とされるが、進学クラスからはずれた日本人の生徒が対象になっていく可能性がある。
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進学クラスの生徒は英語にも対応しうる論理的な長い文章を読む訓練を受け、そうでない生徒はやさしい日常語で過ごす。これが後の社会的立場に影響を及ぼすことは明らかである。 言語教育の面からも子供たちの分断・階層化が進み、階級社会に陥る危険性が予想される。
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言語は本来、コミュニケーションと思考形成という2つの重要な働きをもつ。しかし、日本人は論理で説得するより、情感で伝え合うことを好み、客観的事実にも思いをこめる。コミュニケーションを円滑にするため、日本語による「事実」の表現は変形しやすく、あえて隠されることも多い。隠された事実、変形した事実を基に科学的思考を形成することは難しくなる。
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ここで注意しなければならないのは、日本語にも日本語なりの論理があるということである。日本人なら納得できる論理があることは誰しもが知っている。「論理国語」という言葉は「日本語なりの論理」を示す可能性があり、外国にも通用する「論理」を示すことにはならない。科学的思考を形成でき、外国人でも論理が理解できる「科学日本語」が必要である。「科学日本語」こそが世界共通語である英語に対応できる。
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