妊娠三ヶ月のときに乳癌が発見されました。それから出産までは胎児に影響のない範囲での抗がん剤を使いながら治療を続けていました 出産するまでは元気で「癌に勝ったぞ」なんて言っていたものです。ところが出産してから1週間後に、妊娠中はできなかった検査をしたところ、既に癌が全身に転移しているのが見つかりました 乳癌は5年後生存率も96％と高く、医者も信じられないような早い進行でした 妻にこのことを告げるか悩みに悩んだ結果、伝えないことに決めました 既に余命は1ヶ月程度と見込まれ、医者からはきちんと告げて子供に何かを遺せるようにすべきと説得されましたが、それでも伝えませんでした 妊娠中は歩いていた妻ですが、出産後は立つこともできなくなりました。おそらく息子が胎内から支えてくれていたのでしょう

親子3人で1度だけ旅行に行きました。病に苦しむ妻にまた今度にしようと言いましたが、妻の強い意志で実現しました。 車椅子で移動していた妻ですが、旅行中に1度だけ立ち上がり、ベビーカーを押す奇跡が起きました。結局ベビーカーを押したのはその1度きりでした 出産から4ヶ月の闘病の末に妻は亡くなりました。たった29歳です まだやりたいこともたくさんあったはずです 妻にはもっとやってやれることがあったはずだと、たくさんの後悔があります 「ありがとう」と伝えたのは昏睡状態になってからです。生きている間にきちんと伝えられませんでした

息子はまもなく4歳になります。毎日元気に走り回り、てんてこまいです 最近は毎日早朝からセミ採りが日課になっています。捕まえたセミもかわいそうだから、とすぐに離してやるやさしい息子です 息子のおかげで毎日がめっちゃ楽しいです 最近、同じような境遇のシングルファーザーのためのオンラインサロンを始めました。大切な仲間たちです

人生大変なこと、しんどいことはいっぱいあります。でも人は一人ではありません。一緒に頑張ってくれるたくさんの仲間がいます つらいときは甘えたり頼ったらいいんです まず自分自身を大事にしましょう。自分を思いっきり愛することで仲間たちとがんばることができるのです