加茂までは大阪市民もご存知大和路快速が走りますが、そこから東は非電化のローカル線になります。 加茂駅に「山城列茶」がとまってました！

加茂駅前に残る古い町並み

「かも」神社です。もちろん加茂という地名と強い関連があります。 葛城山麓→ここ→上賀茂神社・下鴨神社へとカモ一族が移ったとも言われます。

風格ある参道を進みます。紅葉は美しいでしょう。

本殿は春日造。 上賀茂・下鴨神社といえは流造の総本山。カモである加茂と鴨・賀茂は無関係という傍証ともいえます。

上賀茂、下鴨ではあまりアピールしませんが、ここではカモ＝八咫烏をアピール。サッカーで有名ですね。 熊野ではかなり八咫烏押しなので、北へ行くへ連れてヤタガラスの色も薄まります。ガンダムで有名な安彦良和の漫画の主人公も張りました。

ここの「下鴨」の張り紙の下には「上賀茂」があったと断定してよいでしょう。 大事なところを間違えるあたり、深い関係があったのかには疑問符がつきます。

奈良公園にある氷室神社の建物を移築したと伝わる南北朝期建立の本殿。重要文化財

祭神は早良親王などと、一般の御霊神社と同じ。

御霊神社は灯明寺の鎮守社ですが、灯明寺はすでにありません。例によって神仏毀釈による廃絶かと思いきや、1948年までは重要文化財指定を受けた本堂がこの地にありました。暴風で大破したので1982年に横浜の三渓園に移築されました。その間34年は大破のままだったということなのでしょう。 20世紀に入って複数の重要文化財を有する寺院が廃絶したというのはショッキングなことです。

移築された旧本堂です。今も重要文化財です。 先行して1914年には重要文化財の三重塔も移築され、三渓園のシンボルともなっています。計10棟の重要文化財建築が移築されており、一度は訪ねてみたいものです。

遥か伊賀の山並みから生じ、木津で山城平野へそそぐ木津川。 狭い盆地しかないここに都が置かれたのは木津川があってこそ。緑豊かな上流と、奈良盆地と京都盆地を分かつ木津を流れる大河です。

恭仁宮のあれこれを展示する資料館。

恭仁京を紹介した映像や資料などが展示されており、まずはここに行きましょう。

出土した土器に触れます。千数百年前の遺物に触れられることにちょっと感激。 土器と須恵器は全然違うことがわかります。

条里制、というか条坊制が残っているのが明瞭にわかります。

ここにかつての都がありました。 いまは礎石だけは残ります。

本格的な都がここに築かれました。狭い盆地ながら本格的な都です。 しかしたった4年で廃都となりました。

万葉集にも四季の景観の美しさを称えた歌や、泉川（木津川）の清流を賛美する歌が収められています。

今ではアジサイの名所にもなっています。 アジサイ名所ひしめく京都では全くの無名ですが、アジサイの名所としてもよろしく

すぐ横には木造二階建ての雰囲気ある恭仁小学校があります。

平城京から移築された大極殿は廃都後もそのまま国分寺として使われました。さぞ壮大華麗な国分寺だったことでしょう。 還都した平城京では新たに第二次大極殿が築かれました。

一段高い基壇上にある大極殿碑

同じ敷地内にある国分寺碑。 壮麗な国分寺も今では遺跡を残すのみ。

はるか和束川から分流し、一帯をうるおす用水路。 造られたのは鎌倉時代で、水利の悪さも恭仁京廃都の大きな要因になったと考えてよいでしょう。

加茂町北部で有名な寺院といえば海住山寺。 恭仁京遷都と前後してできたようですが、すでに廃絶した国分寺に対し、今でも知る人ぞしる海住山寺。

こういうのを見ると、行政区分は京都ですがむしろ奈良の影響が強いことを感じます。

入山料はなんと100円！ 本堂内に入るにはさらに拝観料が必要ですが、海住山寺の最大の売りである五重塔はたった100円で見ることができます。

最近できた日本遺産の説明版。 もちろんお茶色です。

本堂は1884年の再建でさすがに文化財指定は受けていません。

これが海住山寺が誇る国宝・五重塔。 初層に裳階があるため、六重にも見えます。

高さは17.7ｍと、五重塔にしては小さなものです。 東寺の1/3以下です。

法隆寺五重塔と同様に裳階が全体を引き締めます。

境内から平野部を見下ろします。 左の平野が恭仁京の営まれた加茂町の盆地。奥はもう奈良です。

こんなお地蔵さんがいらっしゃいます。

よくわかりませんが、茄子ははりぼてです。

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