1970年当時は、世は挙げてボウリングブームで、ＭＫグループでもボウリング事業を計画した。 永井石油（現ＭＫ石油）が中心となり、資金的な困難もあったようだが山科西野にボウリング場を建設した。 1971年7月30日に華々しくオープニングセレモニーが行われた。

センターの名称を決めるに当って、永井石油内でいろいろな案が出されたようで、建設中は仮称「永井ボウリングセンター」と呼ばれた。 まだ知名度が低かったＭＫタクシーの名を採り、ＭＫボウルと名付けたのは今日から見ると英断だった。

オープニングセレモニーは、ＭＫらしく社員の小学生子女による行進であった。写真の左から2番目は、現社長の青木信明である。

セレモニーの準備はタクシーと石油の職員が協議して役割を分担し、脚本を作ってリハーサルを繰り返した。

石油、タクシーの社員夫人の手料理による模擬店がガレージに大テントを張って開かれ、来場者の絶賛を博した。

左：レストラン　右：ビリヤード

このボウリング場は、社員が生み出した利益を投資して作ったものなので、開業の月からＭＫ社員に一人月額五，〇〇〇円が還元された。社員も自分たちの手でできた、自分たちのボウリング場ということで、親戚友人、タクシーの乗客にチケットを販売したり、乗客でボウリングに行くと思われる人にＭＫボウルを奨めるなど、積極的に営業に協力した。 このボウリング場からＭＫ産業（現エムケイ株式会社アニューズメント事業部門）が生まれる。

当初は折柄のブームに乗って笑いが止まらないほどの収益を上げ、乗務員に利益還元までしたが、翌年夏ごろから全国的にブームが去ったのが原因で、急激に業績が下降線を辿り始めた。

利用客が少なくなれば当然駐車場も空いてくる。タクシーが車庫になる時間は主として深夜で、ボウリング営業と競合しないので、ここにタクシーの営業所を設置し、ボウリングの駐車場とタクシー車庫を兼用しようとした。 1973年1月に山科営業所がオープンした。

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