ここ数年、思いつくと朱印帳の空白を埋めることにしている 御朱印とは神社仏閣を訪れた際、赤い判と墨で場所や日付などを書いていただくもののことで、かつては納経の証だったそうだが、今では参拝した証となっている。その御朱印をいただく朱印帳には様々な種類があり、中には御朱印だけでなく神社仏閣によるオリジナルの朱印帳を集める人もいるらしい。私は数ある朱印帳の中で、昔から初詣などで参拝している神社のものを購入した そう高くない頻度で思いついた時にだけ集めているとはいえ、数年経つとそれなりの数になる。購入時には全て埋まるのか不安になったほど厚みがある蛇腹状の朱印帳は、片面がほぼ埋まってきた。それまでは神社や寺に行ったところでおみやげの類というものはあまり購入することがなく、記録や思い出はせいぜい写真で残す程度だったが、御朱印を集め始めてからというもの、写真とはまた違った形で記録が残るようになった。次はどこへ行こうか考える時、ぱらぱらとめくってみると訪れた当時のことを思い出す 写真が気軽に撮れ、管理も簡単になってから写真を撮ることは以前よりかなり増えたと思う。一方で、膨大な数の写真をあまり見返すこともなくなった。一枚の重みも減った気がする。実際に行かなければならず、ただ文字で記録されるのみの御朱印は言ってしまえばひどく時代遅れで、時代遅れが一周廻っていっそ目新しいようにさえ感じる。しかしその時代遅れさや一枚の重みの違いこそが普段と異なる時間の流れを感じさせ、日々の生活とは隔絶された非日常を思わせる 身近な非日常に触れる、それが私の気分転換方法であり、趣味でもある

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