奈良盆地の東縁を南北に走る断層に沿って文字通り「山の辺」を通る古代道路です。 かつての奈良盆地は低湿で条件によっては移動が困難なため、奈良盆地の南北を結ぶ幹線道路として機能していました。奈良公園～石上神宮を結ぶ北山の辺の道は近年再整備された区間も多く、古代道路としての山の辺の道とは異なる経路を通っている区間も多いとされています

古代道路である山の辺の道の北の起点は奈良です １０匹の鹿が一ヶ所で固まっています

毎年10月三連休には鹿の角切りが行われます。まだ早朝なので人の姿はありませんが、日中には多くの観光客でにぎわいます 長く伸びた鹿の角が人間や他の鹿を気づ付けることを防ぐことを目的に江戸時代から行われている伝統行事です

いつの間にか新しいミュージアムができていました。 取材日の10日前の2016.9.29にオープンしたばかりとのこと。早朝のため開館時間前なのが残念

以前からあった宝物殿を増改築したものですが、外見からも全く一新されていることがわかります。 展示内容はテーマによって変わりますが、なんと国宝を352点も所蔵しています

藤原氏の氏神であった春日大社。 ここまでは春日大社の参道で、この楼門前から実質的に山の辺の道が始まります

春日山の西麓に広がる鎮守の森を、中の禰宜道を通って南へと進みます

間もなく公園を抜け、市街地へと入ります。不空院と新薬師寺の間の風情ある道を進みます

十二神将像で知られる新薬師寺。南都十大寺のひとつに挙げられる名刹で、かつては東大寺大仏殿にも匹敵する巨大な伽藍を誇りました

少なくとも30年以上前からあるであろうレトロな看板です。「国鉄指定」の嫁入道具専門店とはどういうことなんでしょうか。国鉄職員なら安く買えたということ？

続いて715年建立と伝わる古刹、白毫寺の近くを通ります。 白毫というと、仏様のみけんにあるほくろみたいなアレです。実は毛が螺旋状に収まっているもので、伸ばすと4.5ｍにもなります。

山の辺の道は高台にある白毫寺からはやや離れたところにあるため、少し寄り道

門前から振り返ると奈良盆地が一望できます 白毫寺は関西花の寺二十五箇所のひとつで、秋の萩と春の五色椿で知られます

古い町並みを抜け、山の辺の道は田畑を縫うように進みます 奈良でもやはり鹿の獣害は深刻なようです。以前はなかった鹿除け柵が設置されています

新しい山の辺の道の地図が設置されています。田畑や古墳の間を縫うように道がつながっていることがよくわかります

先ほどの柵は「鹿除け」と書かれていましたが、こちらは「猪除け」です 畔を進むような道ですが、東海自然歩道の一部で「公道」と書かれています

放棄された水田跡脇の細い道が山の辺の道です。山の辺の道の北部は南部より人気が低く、やや荒れ気味です。このあたりも古代の山の辺の道とは異なる経路になっている可能性が高いです

雰囲気のある竹林の中を進みます

コスモスが見ごろを迎えています

収穫の終わった田んぼの間の道。日本の田園風景が残ります。この辺りは初夏にはたくさん蛍が見られます

白山権現を祀る神社です。創建時期などについては定かではないとのこと

三連休にはちょうど秋祭りが行われるようです

1885年に近隣にある八嶋陵が崇道天皇陵として整備されたため、八嶋陵にあった崇道天皇社を合祀し崇道天皇こと早良親王を祭神としています

ここでも三連休に秋祭りがおこなわれるようで、御神輿の準備中です

京都の崇道神社の祭神でもある崇道天皇の陵墓です。 崇道天皇とは、皇太子でありながら無実の罪で流罪にされ非業の死を遂げた早良親王のことです

当初は流罪地である淡路に葬られましたが、祟りを恐れて20年後にここに改葬されました

再び竹林の中の気持ち良い道を進みます

途中で山村御殿こと円照寺の参道を横切ります。 法華寺、中宮寺と並んで大和三門跡と称されますが、創建は1641年と他より1000年前後も新しい寺院です 2010年に平城遷都1300年記念として5日間だけ抽選で計1000人に公開されたことがあるものの、非公開寺院です。次の公開は下手したら94年後です

この門より内側は今なお「男子禁制」です。といっても完全な男子禁制は不可能でしょうが もともとは修学院にありましたが、離宮造営に伴ってここへと移転しました

通用門には有刺鉄線が張られ、防犯センサー、猛犬注意となかなかのセキュリティとなっています

弘仁5年に建立され、元号を寺号としたと伝わる寺院です 京都で十三詣りといえば法輪寺ですが、奈良ではこの弘仁寺です

入山料200円を山門の賽銭箱に入れる拝観形式です

右が明星堂、左が本堂です。堂内拝観は拝観料400円が必要です 境内には宿坊があり、一泊二食付7,800で宿泊できます

境内には四季折々の多くの花が咲いています。秋にはさぞかし美しい紅葉を楽しめることでしょう

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