天井川が線路をまたぐこのあたりでよく見ます。 渋川の向こうは井手町なので、木津川市の最北端です。

道路も天井川をくぐります。

宇治市内では勝手踏切は強制的に廃止されましたが、このあたりでは今も残ります。 ここは15分に一本しか列車は来ず、前も後ろも眺望は良いため封鎖の対象にはなっていないようです。

平氏政権に反した以仁王の遺蹟です。

もちろん陵墓は宮内庁の管轄なのですが、墳丘は見当たりません。 鳥居の奥にあるのは高倉神社の本殿です。

横っちょというか、同じ敷地内を無理に分割して高倉神社があります。 社名は高倉宮以仁王からきており、流れ矢にあたって討ち死にした以仁王が葬られました。

これが蟹満寺です。

全体に新しく、よく整備されていますが、特になんてことのない寺院に見えます。

2010年に改築され、新築同様に生まれ変わった本堂。

蟹類が菩提心を発心したという新しい碑です。 山川草木・・・なのですから、当然蟹だった仏性を帯びています。

このなかに、我が国の至宝である釈迦如来が鎮座されます。 有名な仏像ながら、その由来などは謎に包まれています。 ７世紀の創建当初から一度も動いたことがないとも言われます。

蟹満寺とは山背古道を隔てすぐななめ前の神社です。 綺原は「かんばら」と読みます。正式には「綺原坐健伊那太比賣神社（かんばらにいます たけいなだひめ）」といいます。

このあたりは古代は秦氏の影響が強い地でした。

古い町並みを縫う古道。 近世に奈良と京都を結ぶために整備された大和街道よりさらに古いのでしょう。今は山背古道の名前でハイキング道です。

恩返しは鶴だけではありません。蟹だって恩返しします。

天井どころか、２階の天井よりも高い位置を流れる天井川。 一般に天井川といえば、洪水が起こらないように堤防を高く高くしていった結果生じたと言われます。ただしこれは正確ではありません。 河床が上昇し続ける木津川へスムーズに流水を導くため、高い位置に川を通さざるを得ませんでした。たまにある洪水によるリスクと、よくある逆流による水没とを比べて前者をとったことは自然です。 近年は木津川の河床低下で天井川の切り下げが進んでいますが、ここではまだ残っています。

棚倉駅前に鎮座する涌出宮（わきでのみや）。 正式には「和伎坐天乃夫岐売神社（わきにいますあめのふきめのかみのやしろ）」といいます。

766年に伊勢神宮近くの五十鈴川から勧請されたと伝えられます。

駅前の鳥居からまっすぐ東へ進み、参道は直角に曲がり左へ（北へ）と進みます。

瓦葺の拝殿と銅板葺の本殿からわかるとおり、比較的新しい建物です。 なので文化財指定を受けていません。

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