一般に、枝垂れ性のエドヒガンの品種を枝垂桜といいます。 希少な形状は、古くから神の依り代ともみなされ、各地でご神木として大切に扱われてきました。 非常に長寿で、日本三大桜の一つである三春滝桜は樹齢1,000年以上と言われます。京都でも常照皇寺の九重桜は樹齢650年と言われます。 ここでは、ソメイヨシノよりやや開花が早い枝垂桜と紅枝垂桜を取り上げます。

幕末に孝明天皇から京都御所の桜を賜わったため「御所桜」といいます。 すぐ南側には同じくらいの大きさの斎王桜もありますが、開花時期が異なるため、同時に見頃にはならないのが残念です。 5/5にはこの目の前で競馬会（くらべうまえ）が行われます。

入園者日本一である府立植物園の顔と言えば、この大枝垂桜。 祇園枝垂桜の姪っ子にあたる大枝垂桜は、高さ14ｍ、幅20ｍという大きさなのに樹齢はまだ50年というから驚きです。 傘状に枝が広がる端正にして華麗な姿は見事です。

京都府内に名桜は数あれど、唯一国から天然記念物に指定されているのがこの常照皇寺の「九重桜」。 南北朝の光厳上皇の御手植えと伝わり、樹齢は実に650年といわれる古木です。 一重と八重が同時に咲く「御車返の桜」も有名です。

「京北十景」にも選ばれる魚が渕の吊り橋のたもとには、立派な枝垂桜が咲きます。 吊り橋と桜という組み合わせは、京都でもここでしか見られません。 道から見下ろすもよし、橋のたもとから見上げるもよし、対岸から吊り橋越しに見るもよし。 目の前には上桂川の清流が流れます。

樹齢400年近い枝垂桜の古木は「かすみ桜」と言われ、京都市指定天然記念物にもなっています。 地元で昔から愛されてきた桜です。

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