竹田城は１４３１年に山頂に城を築きあげられ、１６００年の関ヶ原の戦いの年に廃城したと言われています。 今となっては城跡となったその石垣のみの風景を「天空の城」「日本のマチュピチュ」さらには「恋人の聖地」などと言う人もいます。 幼いころより、凧揚げをするとき、鯉のぼりを見るとき、犬の散歩をしているとき、登下校をするとき、色んな場面でこの竹田城を見て育ってきました。 遠足でも数回行き、みんなで鬼ごっこをしたり、歌のコンテストができた程いつも人がいないイメージでした。

そんな竹田城がいきなり有名になってしまいます。 私が大学１回生の夏頃でした。竹田城が映画のロケ地に選ばれたと思えば、瞬く間にあらゆる番組やＣＭに使われるようになり、完全にブームとなりました。 小学生の頃には年間２万人程しか来ていなかった観光客が、近年では年間50～60万人が入城するようになりました。 いきなり国内外から観光客が増えてしまったので、地元がバタバタしているのが伝わってきました。 トイレがない、駐車場がない、おみやげ屋もない、当時は入城料もない、でも警備員配置しなきゃ、シャトルバス出さなきゃ、道の舗装もしなきゃ、で本当に大変だったと思います。 今では周辺はある程度整い、崩れてしまった石垣も補正し、天守台と本丸の見学ができるようなったそうです。

有名になってしまい、もう竹田城で走り回れなくなったことや少し変わってしまった景色にどこか寂しい気持ちもありますが、自分の出身地を言うときにとりあえず「竹田城の近く」と言えばなんとなく伝わることの方が何倍もうれしいです。 「兵庫の朝来」と言っても「どこ？」と言われるばかりだったので何もなかった田舎に突如有名なものができたという心強さを知りました。 このブームがいつまで続くかわかりませんが、ブームが終わったとしてもこれからも私は地元に戻れば竹田城を眺めていくんだろうと思います。

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