著者 (所属機関) (5件) 元日田まりな　所属：神戸学院大 薬 辻田司　　　　所属：神戸学院大 薬 原田慎一　　　所属：神戸学院大 薬 森隆治　　　　所属：薬草と健康づくりの会 徳山尚吾　　　所属：神戸学院大 薬 資料名：日本薬学会年会要旨集(CD-ROM) 巻：135th ページ：ROMBUNNO.28PB-PM254S 発行年：2015年

目的】チョロギ (Stachys sieboldii, Labiatae) は、シソ科の植物であり、その根茎部は日本を含むアジア地域で専ら食用とされている。その成分としては、フェニルエタノイド配糖体などが報告されており、脳保護作用を有することが知られている。これまでに我々は脳虚血後後早期に認められる高血糖状態を正常へ回復さ せることで予後が改善することを見出した。そこで、今回我々は、チョロギの脳保護作用機序の解明において、脳虚血後の血糖値変化に着目し検討した。 【方法】ddY 胎生 18 日齢のマウス大脳皮質を単離し、神経初代培養を行った。 細胞播種 5 日後に過酸化水素 (100 μM) および チョロギ (2.5 mg/mL) を負荷し、その 1 日後に WST-8 assay により細胞生存活性を評価した。5 週齢の ddY系雄性マウスを用い、チョロギ（5、10、20 g/kg）は虚血処置前の 5 日間 1 日 1回反復経口投与した。対照群には水道水を投与した。全脳虚血モデルは 30 分の 両側総頸動脈閉塞法 (BCAO) により、チョロギ投与終了 24 時間後に作成した。 BCAO 後の血糖値変化として、空腹時血糖値を測定し、学習・記憶障害および神経障害の評価には、一試行性 step-through 型受動回避試験および hematoxylin-eosin染色を用いた。 【結果】過酸化水素負荷 1 日後に観察された細胞死に対して、チョロギは有意な抑制を示した。BCAO 1 日後の血糖値上昇および BCAO 3 日後において認められた学習・記憶障害および神経障害の発現に対し、チョロギ投与群では用量依存的にそれらの障害が改善し、10 および 20 g/kg の用量で有意な改善が認められた。 【考察】以上の結果から、チョロギの有する脳保護作用の機序の一つとして、脳虚血後早期における血糖値制御が関与している可能性が示唆された。

【かめおか食産業振興プロジェクト　試作品発表会～チョロギって何？～】2015年2月27日 「チョロギって何、認知症に効くの？」をテーマに、 神戸学院大学薬学部教授の徳山尚吾氏にお話しをして頂きました。 チョロギ（チョウロギとも）は、シソ科の多年草の植物、あるいはその根にできる食用とされる球根のように見える塊茎部分で、脳血管性認知症予防に効果があるとされています。 梅酢やシソ酢に漬けて赤い色をつけることが多く、この赤く漬けたチョロギは、正月の御節料理によく用いられています。 御節料理ではそのまま単品として用いられるほか、黒豆を煮たものに添えて供されることも多いそうです。 実はチョロギを食べると、脳が活性化され、脳梗塞や脳血管性認知症予防に効果があるとされています。 この脳が活性化される効果というのは普通の植物では珍しいそうで、昔から漢方薬としても重宝されているそうです。 そして今回、食料品製造業者様による加工食品の生産・開発・販路づくりを構築し、亀岡地域の特性を生かした食産業の振興と地域経済の活性化を図るために、11もの企業様、団体様にチョロギを使用した試作品の発表をして頂きました。 お味噌やお酒、お豆腐に配合されたり、パンやお饅頭に練りこまれたりなど、どの企業様・団体様もチョロギの特性を活かし、味にももちろんこだわった試作品を作られ、お越し下さった150名のお客様の舌をうならせていました。